ドイツ語通訳・翻訳 TOMOKO OKAMOTO

ありのままのあなたで健康になる19の習慣

訳者あとがき (ありのままのあなたで健康になる19の習慣)

 3週間前にフランクフルト市内に引っ越してきた。ふと気づくと、新しい家の近くにビオラーデンがないことにがっかりした。ビオラーデンとは、日本語に訳すると自然食品店。日本では、自然食品店と聞くと、健康食品を売っている堅苦しい店を想像するかもしれない。しかし、ドイツのビオラーデンは違う。自然派食品が売られているだけでなく、オーガニックカフェやパン屋まで併設された洒落たミニスーパーといった趣である。みなビオラーデンに入っただけで、健康になった気がして、夢見心地で普通のスーパーの2倍以上も値段が高い食品を買ってしまう。店を出ると、心まで洗われた気がする。
 そんなビオラーデンが集まるのどかな上・中流層の町から、一転して、階層も国籍も異なる人が入り乱れて生活している市中に引っ越してきた私は、近所の大型スーパーに行って圧倒されてしまった。生鮮食品コーナーにはしなびた野菜が並べられ、冷凍食品はほとんどが品切れ。チョコレートとビールだけは山のように積まれ、とりあえずましな場所といえば、精肉コーナーくらい。そんなわけで昨日、最寄りの駅の裏手にようやくビオラーデンを見つけたときは、この上ない感動を覚えた。これで、私は救われる!
 こんなふうに、私をはじめ、この国の住人たちはビオラーデンで自身を浄化させている。日常のストレスを発散させている。一般的なドイツ人はブランドもののバッグには見向きもしないのに、健康にはお金を費やす。それはときにはやや度が過ぎている。週末は大型スーパーで安い冷凍食品や日用品を買い込むが、平日はビオラーデンで高級健康食材を買って、優越感にひたる。これは六畳一間に住みながら、高級ブランドのバッグをもって悦に入っているのに似ていないだろうか? つまりこの国では、ブランドのバッグが健康に化けているのだ。
 本書を訳し終えて、目的は違っても消費文化に侵されているのは日本もドイツも一緒だ、と思った。とはいえ、健康がブランドバッグより奥の深いテーマであることは間違いない。健康は、身体だけではなく心にも関わってくる人生最大の課題のひとつだからだ。だからこそ、健康を消費の目的にしていては、人生の意味を取り違えてしまうのではないだろうか。ドイツと日本とでは状況が異なる場面もあるが、本書との出会いが、健康ブームが続く日本の読者にとって自分に合った生き方を考える機会になれば、と願っている。

 サンマーク出版の黒川可奈子さん、リベルの山本知子さん、XXXの藤田進社長、本多千津代さんほか、今回の翻訳を支えて下さったすべての方々に、この場をお借りして感謝の気持ちを伝えたいと思います。本当に、ありがとうございました。

2012年11月
岡本朋子

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