ドイツ語通訳・翻訳 TOMOKO OKAMOTO

りす君からありさんへの手紙

faj1WZqOcy137Qh1432882872_1432883423りす君からありさんへの手紙

オランダの絵本作家トーン・テレヘンの心温まる絵本です。

りす君とありさん、森に住む動物たちが手紙を交換することで友情や愛を育んでいく物語。

りす君はありさんが大好き。言葉にならないラブレターを書き続けます。またりす君はひとりぼっちで家に引きこもっているアリマキさんを心配して手紙を書いたり、木から落ちてばかりいる不安症のぞう君にも手紙を書いたりします。動物たちは次第に手紙を書くことで自分の気持ちを素直にいい表すことができるようになっていきます。

「君は一人じゃない」そう思わせてくれる、愛に溢れた一冊です!

りす君からありさんへの手紙 (一部試訳・岡本朋子訳)

大好きなかたつむりさんへ

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ぼくといっしょにダンスをおどってくれないかい。
きみのお家の屋根の上でおどってもいいかな?
二つか三つステップをふむだけでいいのだけれど?
すごくやってみたいんだ。
気をつけておどるから。
屋根に穴があいて二人いっしょに落ちてしまわないようにね。
やくそくするよ。
でもそんなこと
本当はできっこないよね。

ぞうより

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大好きなぞう君へ

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お手紙ありがとう。
いつかきっと二人でわたしのお家の
屋根の上でおどりましょう。
きっとできるわ。
わたしはおどりが上手だと思うの。
でも今は
まだだめなの。

かたつむりより

ある冬の日、りす君はありさんに手紙を書きました。

大好きなありさんへ

ありさん、ありさん、ありさん、ありさん、ありさん、
ありさん、ありさん、ありさん、ありさん、
大好きなありさん
ありさん、ありさん、ありさん、ありさん、
大好きなありさん、
大好きなありさん、
ありさん。

りすより

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 とてもおかしな手紙でした。でもりす君は、なぜこんな手紙を自分が書いてしまったのかよくわかりませんでした。外はとてもさむいので手紙に上着を着せ、毛糸のぼうしをかぶせました。そして行き先を説明すると、げんかんのドアをあけました。
 手紙はおそるおそる外にでると、ブナの木をおりて、雪の中をかけぬけ、ありさんの家の窓をたたきました。
「だれ?」とありさんはいいました。
「手紙です」と手紙はいいました。
「手紙だって?」とありさんはびっくりしてドアをあけました。
「わたしはありさんあての手紙です」と手紙はいいました。そしておじぎをして、毛糸のぼうしをぬぎました。
 ありさんは手紙の裏と表をよくながめてから、ふうを切りました。
「じゃあ読むね」とありさんはいいました。
「そうしてください」と手紙はこたえました。
 ありさんは手紙を読み終えると、手をこすりあわせながら「手紙君、ここにすわって。なにかほしいものはあるかい?」といいました。
「えーと」と手紙はとまどいながら、「よくわかりません」といいました。
「甘いものはどう?」とありさんが聞きました。
「それはいいですね!」というと手紙はよろこんで
カサカサと音をたてて体をゆさぶりました。

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 ありさんはペンをとり、手紙の上の方に甘いことを書きました。そしてしばらく考えてから手紙の下の方に温かいことを書きました。それから自分も少しはちみつをなめました。
 手紙はよろこんでカサカサと音をたてながら体をくねらせました。
 そしてしばらくありさんと手紙は肩をならべてすわり、アリさんは立ったりすわったりしながら、最後に手紙のはしに何かを書きこみました。
 外が暗くなるころ、手紙はありさんの家を出ました。雪がふる中、手紙はゆっくりとした足どりでブナの木までもどると、かけ上がってりす君の家のドアのすきまに入りこみました。
「おや、おや」りす君はいいました。「もう帰ってきたんだね」
「そうだよ」と手紙はこたえて、りす君が体をかがめて手紙を手にとる間に、ありさんの家でしたことと、ありさんがりす君のことをどう思っているかを話しました。
「それってどういうこと?」とりす君はききました。
「手紙を読むとわかるよ」と手紙はいいました。
 りす君は手紙を読み、なんどもなんども読み返すと、手紙に、まくらの下に入れて今日はねてもいいかな、とたずねました。
「もちろん」と手紙はこたえました。
 外はふぶきで、りす君の家はミシミシと音をたて、雪はどんどんつもっていました。世界はどんどん白くなっていきます。
 でもりす君と手紙はそんなことにも気づきません。眠りこんで、甘いインクで書かれた手紙の夢を見ていたのでした。

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